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“1000年残るステンドグラスを作ります“

(株)グリーンミントオフィス
代表 寺坊 侑烏


古代より食器や装飾品として珍重されていたガラスを、中世にH溝のついた鉛桟(リードケーム)で繋ぎ合わせて窓の役割を果たすようになった時にステンドグラスは始まりました。その後、キリスト教の教会で文字を読めない人に対して聖書や聖人の話を説明するために絵が付けられました。石造りの暗い空間で色とりどりの光を目にした当時の人は驚いたことでしょう。まさに「神々しい」輝きのステンドグラスはキリスト教に限らず、他の宗教や王族・貴族の館の窓としても約1000年にわたって使われ続けてきました。今も中世からの技法そのままに作られ、修復され続ける確かな魅力があると思います。

 私は札幌のステンドグラス工房を偶然に訪れ、これだ!という直感だけでこの世界に飛び込みました。本物のステンドグラスの魅力や人々の生活の中でどういう役割を果たしているのかを知りたくて、欧米やアジアを17年間視察しています。様々な宗教施設や公共施設に取り入れられている様子や12世紀~20世紀の作品を見比べる中で古いモチーフや技法だけを踏襲しているわけではなく、その時々の文化や生活に合わせて柔軟に変化しながらも一貫して残るガラスの美しさと光の演出としての役割に気づきました。

自分の表現の幅を広げる為に、アメリカで学ばれた三上氏(北海道を中心に空港や図書館など多数の大型ステンドグラス制作)からラウンドリードケームの組み方やフュージングを学んだ後、ステンドグラスアートスクールでフランス式の絵付け技法を学びました。その後、フュージング工房の制作助手としてプロダクト製品や体験キット制作に従事しながら武蔵野美大で美術基礎を学び、2011年に独立しました。初個展後は百貨店の催事やアートイベントに出展する中で海外アートフェアへ出品するようになり、海外のギャラリーやアーティストとの交流が増えアートとしてのガラスの可能性について考えさせられることも多くなりました。自分が何を表現出来るのか、どんな役割があるのかを今も考え続け、答えの欠片を制作・発表し続けています。

 ステンドグラスは光を演出する空間そのものが作品であり、人々にガラスを透した輝きを届けます。施主様のオーダーメイドにしか果たせないご要望に真摯に向き合ってきました。手作りの物には工業製品にはない目に見えない波動のような物が宿ると信じています。施主様も私もいなくなった後世に、このステンドグラスを残そうと思ってもらえるような時代を超える美や癒しを作品に込めることを課題とし「現代に生きる私」にしか作れない作品を届けることが使命だと思っています。1ピースずつ切り・焼成し・削り、1mmの隙間も空くことなく端から詰めて組み込む作業は中世と変わりなく、当時の修道士と同じような時を過ごす日々は私の歩むガラス道であり「1000年残るステンドグラスを作る人になる」目標に続いています。